産業医は必要?不要と考えられてしまう誤解と連携のタイミングを徹底解説

この記事はこのような方に向けて書いています

・産業医が予定通り働いてくれずに困っている人・労務担当者の方

・産業医をこれから雇おうとしている人事・労務担当者の方

・産業医の必要性に疑問を持っている担当者の方

「産業医は本当に必要?コストじゃないの?」と考えている方はいませんか?

しかし、「職場における健康と安全を保つことが大事」という言葉に疑問を持つ人はいないでしょう。

産業医は、このような環境を守るために多方面から支援を提供しています。

他にも、産業医の役割は従業員の健康管理や職場の安全対策に留まりません。予防医学の観点から、職場における健康リスクを評価し、ストレスや職業病の予防策を講じることもその一端です

一見すると接点が少ないように感じるかもしれませんが、産業医は従業員一人ひとりの健康状態や職場環境を深く理解し、それに基づいた具体的なアドバイスを提供します。

多くの企業で見られる「もしも早期に相談していれば…」という後悔は、産業医への相談を通じ未然に防ぐことが可能かもしれません。

一見些細な悩みでも、専門的な視点からのアドバイスを受けることで、将来的な健康問題や職場内の安全問題を防ぎ、企業にとって大きなコスト削減につながると言えます。

従業員と企業の両方をサポートする産業医の活用は、持続可能な職場環境の構築に不可欠です。この記事では、産業医の具体的な役割と活用法について、詳細に解説していきます。自社の産業医をうまく活用できているか、活用できていないのであればその原因は何なのかという視点でご確認ください。

産業医をどう活用していけばいいのか?など、産業医に何かお困りなことがあればライフインベスターにお気軽にご連絡ください。

目次

産業医の必要性を再考する

「産業医はどんなことできるの?」と疑う方もいるかもしれません。

産業医の役割は、単に職場での健康管理をするだけでなく、予防医学の専門家として、職場のの環境や状況についても把握し、従業員の健康促進や職場での安全衛生管理を向上させるための戦略を提供します

例えば、産業医は定期的な健康診断を通じて、従業員の健康状態をモニタリングし、早期の健康問題を発見することで、将来的な健康リスクによる休職や休務を防ぐことにつなげるなどです。

産業医が企業にもたらす5つのメリット

生産性の維持増進

身体的、精神的に健康な従業員はより企業にとっての生産性を上げます。 逆に従業員が不健康になり、休職に陥ってしまった場合は、企業としての生産性の低下にもつながります。

年収600万円の会社員が6か月休職した場合
A. 同僚の残業費など会社のコスト負担422万円かかる

(企業が仕事と生活の調和に取り組むメリット, 内閣府)

そのため、適切な産業医と協力して、企業にとってどういう利益をもたらしてくれるのかという視点で捉えていくことが必要になります。

職場のモラルと満足度の向上

従業員が企業によって自分たちの健康が重視されていると感じると、職場のモラルと満足度が高まります。

ある例では、月に1回程度の法的義務のある、産業医巡視に企業の社長が同席し、一人一人に挨拶をしながら職場の仕事風景をみて回ったということで職場内の仕事のモチベーションが上がったという報告もありました。

産業医と職場が協力することで従業員にとって大きなサポートとなり、企業への帰属意識が高まると言えるでしょう。

リスク管理

産業医は職場での健康リスクを特定し、それに対処するための方策を提案します

例えば、職場の環境評価を基に、労働者が日常業務で直面する可能性のある健康上の危険を特定し、適切な予防策や改善策を講じます。

これにより、職業病や労働災害の発生リスクを減少させ、安全な職場環境が確保することができます。

法的コンプライアンス

国も労働安全衛生法などにより、職場の健康と安全に関する法律や規制を設けています。産業医は、これらの法的要件を満たすためのサポートを提供し、企業が法的リスクを回避するのを助けます。例えば、必要な健康診断の実施、職場の安全基準の遵守、緊急時対応計画の策定など、産業医は企業がこれらの規制に準拠するための指導を行います。

産業医が不要と思われがちな5つの誤解

誤解1:小規模企業には産業医は不要

労働安全衛生法では、50人以上の事業所に産業医の選任義務を課しており、50人以下の事業所では、産業医は不必要と考えている企業も多くあります。 たとえ小規模企業であっても、従業員の健康と安全は最優先事項です。

また、小規模企業であれば一人が健康を害して休んでしまうと、周りのメンバーに皺寄せが来てしまい、その他のメンバーの労働時間が増えるという悪循環につながりかねません。

そのため、産業医は、労働環境の改善や健康リスクの予防に貢献し、小規模企業特有の課題に対応するアドバイスを提供することが必要になります。

誤解2:産業医はコストがかかりすぎる

確かに質の高い産業医に依頼すると、名ばかり産業医と違って、単価が高いことが多いかもしれません。しかし、短期的にコストが発生するかもしれませんが、長期的には産業医の協力の元行う予防策が、医療費の削減、労災事故の減少、生産性の向上に繋がり、はるかに大きな経済メリットをもたらします。

誤解3:現在、従業員に健康問題はないから産業医は不要

従業員が現在健康であっても、将来的な健康リスクを予防し、維持するためには産業医の専門知識が必要です。産業医は、職場のリスク評価を実施、組織としての改善案を提案することで、従業員が長期に渡って健康を維持できるように支援することができるのです。

誤解4:自社で健康管理や安全対策ができる

企業が自身で一定の健康管理や安全対策を講じることは可能ですが、産業医の専門的な知識と経験は、より高度なリスク管理と健康促進策を実施する上で不可欠です。産業医は、職場の特定の健康リスクを特定し、科学的根拠に基づいた効果的な予防策を提案することができます。

誤解5:産業医は単に法的義務を満たすためだけに必要

法令を遵守することが産業医の重要な役割の一つですが、質の高い産業医は、従業員の健康を促進し、職場の生産性を高めるために戦略的なパートナーとして機能します。

実際に利害関係のない第三者として客観的な物事の価値判断ができる産業医がいることは企業にとって必要と言えるでしょう。

産業医に相談すべき状況とそのタイミング

産業医に相談すべき状況とそのタイミングは、職場での健康と安全を最適に管理する上で重要な要素です。産業医の専門知識を活用することで、様々な職場環境の問題を効果的に解決し、従業員の健康を維持することができるでしょう。

1.職場の健康リスク評価時

  • タイミング: 定期的な健康リスク評価を行う時や、新たな健康リスクが発生したとき。
  • 理由: 産業医は、職場の健康リスクを特定し、予防策や改善策を提案することで、労働災害や職業病のリスクを低減に繋げます。

2. 労働災害や職業病が発生した場合

  • タイミング: 労働災害が発生した直後や、職業病の疑いがある場合。
  • 理由: 産業医は、企業と協力して、事故調査や職業病の診断を行い、再発防止策を提案することで、職場の安全性を向上させることができます。

3. 法的要件や規制の変更があった場合

  • タイミング: 労働安全衛生法やその他の関連する法律・規制が更新された時。
  • 理由: 産業医は、最新の法律や規制に関する知識を持っており、企業がこれらの要件を遵守するためのアドバイスを提供します。

4. 従業員からの健康に関する懸念が増加した場合

  • タイミング: 従業員からの健康に関する質問や懸念が増えた時。
  • 理由: 産業医は、従業員の健康相談に対応し、適切なアドバイスや対策を提供することで、職場内の健康関連の問題を解決します。

5. 職場環境の変更や再編時

  • タイミング: 職場のレイアウト変更、部署の再編、健康リスクの高い従業員の異動などが行われる時
  • 理由: 産業医は、これらの変更が従業員の健康に及ぼす影響を評価し、適切な対策を提案することができます。

上記のように産業医に相談すべき状況とタイミングは多岐に渡ります。企業がこれらの状況を正確に把握し、適切なタイミングで産業医の専門知識を活用することで、職場の健康と安全管理を効果的に行うことが可能になります。

まとめ

産業医との協力は、企業にとってより良い人的資本経営を行なっていくために重要になります。。産業医をうまく使いこなすことで、従業員の健康と安全を保護し、職場の生産性を向上させることが可能です。このためには、効果的なコミュニケーション、専門知識の活用、教育と啓発活動の実施、予防的アプローチの採用が鍵となります。

産業医との連携を強化し、彼らの提供するサービスを最大限に活用することで、職場の健康管理と安全対策を効率的かつ効果的に行うことができるでしょう。企業は産業医と手を組み、従業員の健康を守りながら、ビジネスの持続可能な成長に繋げることが望まれます。

いかがでしたか。弊社でも、「産業医はもうそんなもんだと諦めてしまっていたけど、産業医も先生によってこんなに違うんですね」と驚かれる人事・労務の方も一定数いらっしゃいますので、先生によってバラツキがあるのも事実かなと思います。しかし、質の高い産業医を頼むことでコストを投資に変えることができます。

ライフインベスターズでは、コミュニケーション能力や専門性など、書類や面接審査を通じて一定の基準を満たした厳選した産業医が所属しております。

大手法人様はもちろん、これから衛生委員会を立ち上げるスタートアップ・ベンチャー企業様への対応経験も豊富にございます。特にメンタル対応についてお困りの法人様から専門性の高さで高くご評価いただいておりますので、産業医の交代を含め、何かお困りやご不満がございましたら、無料のオンライン相談も受けつけておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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