人事労務担当者必見!産業医が復職を認めてくれない?~産業医の復職判断の基準とは~

この記事はこのような方に向けて書いています。

・産業医の復職判断について知りたい人事労務担当者の方

・産業医から復職許可が下りず、困っている方

働くことは時間の面でも経済的な面でも私たちの生活の中で大きなウェイトを占めていますが、健康を損なうと働き続けることはできなくなってしまいます。特にメンタルヘルスや身体的な問題で休職した場合、復職することは簡単ではありません。産業医は、労働者の健康を守るための重要な役割を担っていますが、時には復職を認めない判断を下すことがあります。この判断は、単に健康状態の評価だけでなく、職場環境や再発リスク、さらには治療やリハビリの進捗にも影響されます。

本記事では、産業医が復職を認めない理由を詳しく解説し、復職が認められなかった場合の対応策や、復職の流れについて解説しています。

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目次

産業医が復職を認めない理由とは?

主治医が復職を認めていても、産業医から許可が下りない…というケースがしばしばあります。産業医が復職を認めない理由はいくつかあるので、順に解説します。

1.健康状態の不安

産業医は、労働者の健康状態を詳細に評価し、復職が安全であるかどうかを判断します。体調が不安定な場合や、精神的な症状が残っている場合、復職はリスクを伴います。特に、症状が日常生活に影響を及ぼしている場合は、仕事を再開することで悪化する恐れがあります。そのため、産業医は健康状態が安定するまで復職を認めないことが多くなっています。

2.職場の受け入れ体制が整っていない

労働者が復職するにあたって、職場がその人を受け入れるにあたって環境を整備できているかどうかも重要なポイントです。ストレスの多い環境や、過去にトラウマを感じた職場、過重労働が当たり前になっている職場では、再度同じ状況に戻ることが精神的・身体的に負担になることがあります。産業医は、労働者の健康状態と職場環境の適合性を慎重に評価し、必要に応じて職場の改善を求め、体制ができていると判断するまでは復職を許可することはできません。

3.再発リスクの懸念

産業医は、労働者が復職後に再発するリスクを考慮します。特にメンタルヘルスの問題に関しては、復職後のストレスやプレッシャーが再発を引き起こす可能性があります。そのため、再発リスクが高いと判断される場合、産業医は復職を控えるよう勧告することがあります。この判断は、労働者の長期的な健康を守るために不可欠です。

4.リハビリや治療の未完了

治療やリハビリが完了していない場合、復職は安全とは言えません。特に慢性的な病気やメンタルヘルスの問題では、完全な回復が求められます。産業医は、医療機関と連携し、労働者の治療状況を確認した上で復職を判断します。リハビリプランが未完了であれば、適切な治療が続くまで復職を延期することが一般的です。

5.労働者の復職への意志が弱い

労働者自身が復職を望んでいない、または不安を強く感じている場合、その気持ちは健康回復に影響を与えることがあります。意欲が低いと、業務に対するモチベーションも低下し、復職後のパフォーマンスに悪影響を及ぼしたり再び休職することになったりする可能性があるため、産業医は復職を認めないことがあります。

6.生活リズムが乱れている

健康的な生活リズムは、仕事をする上で非常に重要ですが、長期間休職すると昼夜逆転した生活を送っていたり食事が不規則だったりなど、生活習慣が乱れるケースがあります。産業医はこの状態で復職してもすぐに体調を崩すリスクがあると判断するので、生活リズムの改善が見込めない場合、復職を認めないことが多いです。安定した生活リズムを取り戻すことが、復職への第一歩となります。

7.就業するのに必要な体力や集中力が不足している

復職するには、一定の体力や集中力が必要ですが、長期の休職で体力が大幅に落ちてしまうこともしばしばあります。体力や集中力が十分でないと判断された場合、産業医は復職を控えるよう勧告します。以下のような項目で判断します。

・8時間/日×週5日のフルタイム勤務をこなせる体力があるか

・休憩時間を除いて継続的に集中して業務を行えるか

・肉体労働の場合、十分に筋力が回復しているか

・デスクワークの場合、長時間のPC作業に耐えうるか など

8.一人で安全に通勤できない

メンタルヘルスの不調で休職した人の中には、人混みでパニックを起こすかもしれない、ラッシュ時の電車に乗るのが怖い、という人もいます。通勤はフルリモートでない限り働くうえで避けられないものなので、通勤がストレスになりかねない場合は復職にも影響をきたすと考えます。

ラッシュの時間帯を避けて通勤できるか、人混みを避けられるルートはあるか、これまでに通勤時に気分が悪くなったことはないかなどを確認し、一人で安全に通勤できないと判断された場合は復職を認めないことがあります。

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復職が認められなかった場合の対応

復職を認められなかった場合、労働者には2つの選択肢があります。

1.休職期間を延長する

産業医や主治医と相談し、健康状態を踏まえて休職の延長を検討します。確実に身体・精神を回復させることで後の復職がスムーズになったり、復職後も健康を維持したりしたまま就業することが可能です。このとき、会社の休職制度や条件をよく確認して、延長の手続きを進めることが大切です。復職のタイミングについては定期的に健康チェックや産業医面談を行い、体調の改善状況を確認しつつ、復職に向けた具体的なプランを立てます。また、医療機関と産業医が連携し、主治医に対して復職に向けた意見を求めたり、必要な治療プランを相談したりすることで、復職の見通しを立てやすくすることができます。

2.異動や転職をする

元居た職場の受け入れ態勢が整っていない場合、職場自体を変えてしまうのも一つの方法になります。新しい職場での再スタートが、精神的なリフレッシュや新たなキャリア形成につながることもあります。異動を希望する場合は、人事部門とのコミュニケーションが必要です。また、転職を考える場合は、事前にスキルやキャリアを見直し、転職市場の状況を調査しておくことが重要です。

参照:復職の流れ(主に産業医が関わる部分)

復職する際の流れは以下のようになります。

引用: H3102_職場復帰支援の手引き+.indd (mhlw.go.jp)

復職の判断をする際には休職中の労働者の主治医が作成した職場復帰が可能なくらい体調が回復したという診断書の提出が求められます。この診断書には就業上な配慮に関する主治医の意見も記載してもらいますが、主治医の診断は日常生活における病状の回復程度を根拠に行っていることが多く、必ずしも職場で求められる業務遂行能力まで回復していることまで確認できているとは限りません。そのため、職場で求められる業務遂行能力の回復の可否については産業医が再度診断します。ただし、この認識のずれを防ぐために主治医にはあらかじめ職場で必要とされる業務遂行能力に関する情報を伝え、それをふまえた上で復職可能であるという主治医の判断を診断書に記載してもらうようにします。

また、第3ステップの職場復帰支援プランの作成の際は主治医の診断書の内容で不十分だった場合は産業医が従業員の同意を得たうえで作成に必要な内容について主治医から情報や意見を提供してもらいます。

復職支援に深く関わる上で、その情報収集源となる当該従業員との直接の面談(すなわち産業医面談)はとても重要なものになります。

復職判断や職場環境の改善に悩んでいる方へ、ライフインベスターであれば専門の産業医が徹底サポートいたします。今すぐ無料相談をお申し込みください。

まとめ

産業医が復職を認めない理由は多岐にわたり、健康状態や職場環境、復職後のリスクを総合的に判断します。復職が認められない場合、休職の延長や職場環境の見直しを行い、焦らずに復職準備を進めることが大切です。健康を守りながら、長期的に働ける環境を整えるために、適切な対応が重要になります。

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