この記事はこのようなお悩みをお持ちの方に向けて書いています。
・産業医の探し方が分からない
・産業医を選任する際にどの方法を選べばいいのか悩んでいる
従業員が50人を超えたタイミングや、メンタル不調者の対応・復職面談が増えてきたタイミングで、「産業医を探さなければ」と急に現実味を帯びる企業は少なくありません。
ただ、産業医は日常的に採用・契約する相手ではないため、探し方(ルート)や契約形態、報酬相場が分からず手が止まりがちです。
そこで本記事では、産業医の探し方を代表的な4つの方法に整理し、それぞれのメリット・デメリット、さらに嘱託産業医/専属産業医の違いと費用相場まで、実務目線で分かりやすく解説します。
産業医はどこにいる?産業医の探し方4つをご紹介!

産業医の紹介を受ける方法とそれぞれの方法のメリット、デメリットについて説明します。
①産業医紹介サービスを利用する
まず、企業と産業医をマッチングする「産業医紹介サービス」を使う方法です。初めて産業医を探す企業ほど、候補が出やすく、契約までがスムーズになりやすい傾向があります。
メリット
- 登録している産業医の数が多いので、その中から条件に合った産業医を紹介してもらうことができる
- サービスの仲介業者が間に入るので、お金の問題などデリケートな問題も対処できる
- 自分で契約をする必要がない、産業医と直接やり取りしなくてよい
- 複数の産業医の紹介を受けたい場合に手間が省けて楽である
- サポートが手厚い
デメリット
- コストがかかる(様々な産業医紹介サービスがあるので条件や料金を比較してみましょう。)
- サ-ビスの対象範囲が都市部に集中していることが多い(ご自身の地域の産業医紹介サービスをぜひ調べて見てください。)
②地域の医師会に相談する
上記の通り産業医紹介サービスは都市部に集中しがちです。地域の医師会に紹介を依頼することは特に地方では有効かもしれません。産業医の紹介を行っているかは各医師会によって異なるので、ホームページなどで紹介の有無を確認してください。
メリット
- 産業医紹介サービスの対象範囲外でも有用である
- 紹介手数料が無料である
- 地域の医師なので訪問の負担や交通費が抑えられる可能性がある
デメリット
- 契約をすべて自分で行わなければならない
- 依頼内容や契約料などもすべて自分で決めるので産業医の業務内容や契約料の相場など様々な情報を把握している必要がある
- 交渉に時間がかかる
- 産業医を変更したいときに何となく言い出しづらい
- 離れた場所に複数の事業場がある場合、それぞれの事業場で契約しなければならない
- 紹介される産業医が開業医であるケースが多いので、産業医専門の医師ほど産業医の業務に時間を割けない
③健診機関に相談する
健康診断を委託している健診機関に相談し、産業医を紹介してもらう方法です。
ただし、健診機関に産業医が所属している場合に限ります。
メリット
- 健康診断とセットで契約できる
- 健康診断で異常が見つかった場合の医師への意見聴取をそのまま行える
- 健康診断で顔なじみの医師に依頼できる
- 報酬が比較的安価である
デメリット
- 業務を依頼できるのが健康診断時のみに限られる
- 産業医の選択肢が少ない
④地域産業保健センターを利用する
地域産業保健センターは、一定条件のもとで小規模事業場向けに産業保健サービスを提供しています。従業員50人未満の事業場で、まず相談したい場合に検討しやすい手段です。
メリット
- 無料で利用できる枠がある
- 産業医を選任していなくても、スポットで依頼できる
デメリット
- 対象は従業員50人未満の事業場だけである
- 利用できる回数や人数が制限されていることがある
- 同じ産業医に担当してもらえるとは限らない
失敗しにくい産業医の選びの考え方
「どこから探すか」と同じくらい大事なのが、「何を頼みたいか」を先に整理することです。探し方が決まっても、要件が曖昧だとミスマッチが起こりやすくなります。
- 必須業務:職場巡視、衛生委員会参加、健康診断後の意見聴取、長時間労働者面談など
- 優先テーマ:メンタル対応(休復職支援)、ハラスメント相談導線、過重労働対策、生活習慣病対策など
- 運用条件:訪問頻度(毎月/隔月)、オンライン対応可否、複数拠点の対応、緊急時の連絡体制
- 社内体制:窓口担当(人事・総務)、情報共有ルール、面談の予約フロー
この整理ができると、紹介サービスでも医師会でも「候補の絞り込み」が一気に楽になります。
産業医との契約方法は2種類
産業医との契約方法は、大きく2つあります。
- 嘱託産業医として契約する
- 専属産業医として契約する
それぞれどのような特徴があるのでしょうか?
下記で詳細を紹介します。
嘱託産業医として契約する
嘱託産業医とは、非常勤の産業医のことで、契約に基づいて定期的に事業場を訪問するという特徴があります。
常時使用する従業員が50~999人(有害業務を行っている事業場では50~499人)の事業場では嘱託産業医と契約するのが一般的です。
具体的には、月に1~2回程度事業場に訪問して、職場巡回や健康相談、衛生委員会への参加などを産業医に行ってもらいます。
また、産業医の報酬については訪問回数、勤務時間、業務内容によって変動します。
向いているケース
- まずは法令対応を中心に整えたい
- 産業医稼働は月数時間〜十数時間程度を想定している
- 予算を抑えつつ必要業務を回したい
専属産業医として契約する
専属産業医とは、特定の事業場で勤務し、従業員の健康管理を専門に行う産業医のことを指します。
労働安全衛生法では、常時1,000人以上(有害業務がある場合は500人以上)の従業員を雇用する事業場に、専属産業医の選任が義務付けられています。
専属産業医と契約する場合は、従業員の健康管理をしやすいことが大きな強みです。
また、専属産業医の勤務日数は週に3日〜5日になることが一般的です。
向いているケース
- 面談・復職支援・職場改善などの案件が多い
- 拠点や従業員数が多く、継続的な介入が必要
- 健康施策を“運用”として回し、成果まで求めたい

産業医に支払う報酬・料金の相場はいくら?
産業医との契約には、主に「嘱託産業医」と「専属産業医」の2種類があり、それぞれの報酬相場は大きく異なります。
- 嘱託産業医の報酬は7万~25万円/月
- 専属産業医の報酬は300万~1,500万円/年
それでは順番に解説します。
嘱託産業医の報酬は7.5~25万円/月
嘱託産業医の基本報酬額は、7万~25万円/月とされています。
報酬額は、契約内容や事業場の従業員の人数により変動します。
従業員数ごとの報酬に関しては下記の表を参考にしてください。
| 従業員数(人) | 基本報酬額(円) |
| 0~49 | 75,000~ |
| 50~199 | 100,000~ |
| 200~399 | 150,000~ |
| 400~599 | 200,000~ |
| 600~999 | 250,000~ |
専属産業医の報酬は300万~1,500万円/年
専属産業医の報酬額は、嘱託産業医とは異なり年俸制が一般的です。
年俸額を算出する際は、一般的に下記の計算式を使用します。
300万円~400万円 × 週の勤務日数
ただし、実際の報酬は産業医の経験年数や専門性、事業場の業種によって左右するので、あくまでも目安になります。
産業医紹介サービスを選ぶ5つのポイント
自社の地域に対応しているか
先ほども説明したとおり、産業医紹介サービスは都市部に集中しています。まずは自社の地域に対応しているかを確認しましょう。
適正な料金か
サービスに対して料金が適正かどうか、ご自身が納得できるかを確認しましょう。
実績があるか
実績が豊富であればより求める条件に合った産業医を紹介してくれると考えられます。これまで契約してきた企業の規模なども参考にするとよいでしょう。
得意分野は何か
産業医にもそれぞれ専門分野があります。メンタルヘルスに強いのか、生活習慣病に強いのかなど求めている条件と産業医の条件が合致するか確認しましょう。
どのような医師が所属しているか
産業医紹介サービスによって所属している医師の特徴は異なります。
例えば、若い従業員が多い事業場であれば、若い医師の方が相談しやすいからそのような医師に依頼したい、という要望があるとします。この要望を叶えるためには、若い医師が多く所属するサービスを選んだ方が効率がいいでしょう。

【産業医紹介サービス利用企業に聞いた】産業医を探すにあたって検討した方法
実際に産業医紹介サービスを利用した企業に、産業医を探す際に検討した方法をヒアリングしました。
これから産業医紹介サービスの利用を検討している方のために、実際の声をいくつかご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
知人から産業医を紹介してもらう
産業医との契約を検討する際に、知人からの紹介を検討した企業が多くみられました。
しかし、産業医個人との契約になるリスクや、紹介された産業医を信頼する確証がない、などの観点から産業医の紹介会社を利用したという企業が多いようです。
また、知人から産業医を紹介してもらったした企業の口コミとして
- VCに紹介してもらった先生とも話して、若さと対応の速さ柔軟性を優先して決めました
がありました。
地元の医療機関に紹介してもらう
産業医を探す際に、地元の医療機関に紹介してもらったという企業も多くみられました。
また、地元の医療機関に産業医を紹介してもらうという方法を検討した企業の口コミとして
- 地元の協力医療機関にまずは相談。
- ネットで調べ、近い病院で産業医をやっている医療機関を手当たり次第探した
などがありました。
産業医紹介サービスを利用する
そもそも産業医をどうやって探せば良いかわからない、相談から始めたい、といった企業も多くみられました。そのような企業は産業医の紹介サービスを利用する場合が多いです。
産業医に関する相談を一括して任せられる産業医紹介サービスであれば、自分の会社にはどの契約形態が適しているのかなどを含めて相談しながら決定していくこともできます。
また、産業医紹介サービスを利用した企業の口コミとして
- 産業医の先生を自力で探すのはハードルが高く、ネット検索や知人紹介だけでは十分な候補に出会えない場合があったから、産業医の紹介サービスを利用した
- 産業医の検索・連絡・面談等を自社で一から行うよりも、紹介サービスを利用することで契約までのプロセスがスムーズになり、結果的に社内リソースの削減につながる
- 産業医の先生の探し方が分からなかったので、産業医の紹介サービスを利用した
- 産業医を探すにあたり、つてなどもなくまた個人契約はリスクも存在するため(例えば突然連絡が取れなくなった場合に、法人契約であれば代替の医師を紹介してもらえると思われるが、個人契約ではそういう対応は不可)、産業医の紹介サービスを利用することがスムーズかつ安全だと思った。
などがあります。産業医紹介サービスを利用することで、より良い産業医と出会うきっかけになるでしょう。

まとめ
どの方法で産業医の紹介を受けるかはコストを抑えたいのか、顔見知りである安心感が欲しいか、とにかく楽をしたいかなどどのポイントに重きを置くかによって変わってきます。ご自身の会社の優先事項をしっかりと整理してご自身の会社に合った方法で産業医を選びましょう。
ライフインベスターズでは、コミュニケーション能力や専門性など、書類や面接審査を通じて一定の基準を満たした厳選した産業医が所属しております。
大手法人様はもちろん、これから衛生委員会を立ち上げるスタートアップ・ベンチャー企業様への対応経験も豊富にございます。特にメンタル対応についてお困りの法人様から専門性の高さで高くご評価いただいておりますので、産業医の交代を含め、何かお困りやご不満がございましたら、無料のオンライン相談も受けつけておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

