復職面談で聞かれること:産業医が考える!うつ病回復後に押さえておくべき3つのポイント

この記事はこのような方に向けて書いています

・うつ病と診断されたけどどう復職するか心配な方

・産業医面談がどういうことが聞かれるのか不安な方


・産業医面談がどんなことを聞かれるか心配な人事・労務担当者の方

うつ病は回復したけど復職面談でどんなことが聞かれるのか不安と感じたり、準備をしっかりとしたいと考えている方はいませんか?

今回産業医として働いている私が今回は復職面談でどんなことが聞かれるのかについて記載していきます。

目次

復職面談の目的と重要性

復職面談と聞いてどんなことをイメージしますか?

うつ病からの回復後、職場への復帰は多くの従業員にとって重要なステップです。

またこれは、企業にとっても重要になります。

面談の主目的は、従業員が職場に戻るための準備が整っているかを評価し、必要な支援を特定することです。

この段階で、従業員の現在の健康状態、職場での適応能力、そして再発防止のための戦略が検討されます。

面談はまた、従業員と雇用者の間でのコミュニケーションの橋渡しをし、両者の理解を深める機会を提供します。

ここでの目標は、復職をスムーズで、両者にとって有益なものにすることです

復職面談での主要な質問項目

復職面談では、以下のような質問が一般的です。

現在の体調や生活習慣について

復職の検討に際し、現在の健康状態と日々の生活習慣は欠かせない要因です。産業医の復職事前面談では、睡眠の質、栄養バランスの取れた食事、定期的な運動、効果的なストレス管理など、日常生活の質に焦点を当てた質問がされます。

特に「うつ病」を抱える従業員の場合、産業医から睡眠障害の有無パフォーマンスの現状について尋ねられることが一般的です。睡眠障害がある場合、業務に悪影響を及ぼす可能性があり、また、パフォーマンスが完全には回復していない状態では、症状が悪化するリスクが高まります。

従って、従業員は自身の睡眠状態が十分に改善されているかどうか、通常の睡眠時間(何時から何時まで睡眠をとっているか)を産業医に伝えることが重要です。これにより、復職に際しての健康管理と適切なサポートが提供されることにつながります。

休職原因と再発防止策について

復職面談において最も重要なのは、休職を引き起こした原因を理解し、再発を防ぐための具体的な計画を立てることです。うつ病による休職は、多様な要因に起因する可能性があり、例えば、職場の環境、仕事のストレス、人間関係の問題、個人的な事情などが挙げられます。

産業医としての主な役割は、これらの要因を特定し、従業員が再発を防止するための戦略を立案する支援を行うことです。そのため、従業員への質問は、これらの要素を明らかにすることを目的としています。

従業員には、自身の休職原因に関する自己分析と、将来的な再発防止策についての計画を面談で話せるよう準備することが求められます。

具体的な対策としては、「マインドフルネス」などのセルフケア技法の学習や、自分の限界を超えそうな時に助けを求めることが挙げられます。さらに、再発防止には、職場との円滑なコミュニケーションが不可欠です。これにより、従業員と職場の両方が健康的な職場環境を維持するための共同の取り組みが可能になります。

復職後の働き方について

復職後、すぐに以前のパフォーマンスレベルに戻ることは難しいため、数ヶ月かけて徐々にパフォーマンスを回復させる方針は、従業員にとって重要です。

復帰後の初期段階で、周囲への貢献が十分でないと感じ、罪悪感を持つことは一般的に起き得ます。しかし、このような状態に適切に産業医を含めた職場のスタッフが対応できない場合は再び休職につながる可能性が高まってしまいます。

そのため、焦ることなく、着実にパフォーマンスを回復させ、業務に復帰することが肝心です。このプロセスを支えるために、産業医をペースメーカーとして活用することが有効です。

会社が契約している産業医を有効活用し、会社や職場との橋渡し役として利用することが重要になります。

復職面談準備のポイント

復職面談に向けて自主的に準備を行うことは、スムーズな職場復帰にとって非常に重要になります。以下は、面談に臨むための主な準備ポイントです。

  1. 自己評価の実施: 自分の現在の健康状態、能力などを正確に理解することが重要です。これには、うつ病の症状、日常生活での活動、仕事に対する準備などが含まれます。自己評価を行うことで、面談中に自分の状況を明確かつ正確に伝えることができます。
  2. ギャップの明確化: 復職に向けた自分の期待と懸念を整理し、それらを面談中に伝える準備をします。このことをすることで、職場や産業医にどんなことが必要かを伝えることができ、適切な対応を取ることが可能となるのです。
  3. 将来の課題と解決策の考察: 職場復帰後に直面する可能性のある課題を予測し、それらに対処するための戦略を考えておくことも重要です。ストレス管理、時間管理、コミュニケーションスキルの向上などが有効な解決策となり得ます。
  4. オープンなコミュニケーションへの準備: 面談は、従業員と雇用者間のオープンなコミュニケーションの場です。自分の感情や懸念を率直に話し、職場の同僚や上司との関係を強化する機会として捉えましょう

まとめ

うつ病からの回復と職場復帰は、従業員にとって大きな一歩です。産業医との効果的な復職面談により、従業員は自分の健康状態を明確に伝え、適切なサポートを受けることができます。

職場復帰の鍵は、再休職を避けることです。この目的のために、従業員は自らのパフォーマンスを取り戻し、職場と密に連携することが必要です。

この記事が、うつ病の回復と職場復帰を目指す方々にとって有益な情報源となり、スムーズでサポートされた復帰プロセスに貢献することを願っています。皆さんにとって価値ある内容であれば幸いです。

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