この記事はこんな方に
・社員のメンタルヘルス問題に悩んでいる方
・人事ができるメンタルヘルス対策を知りたい方
近年、職場におけるメンタル不調が企業の大きな課題となっています。厚生労働省の調査によると、「強いストレスを感じている」と答えた労働者は約6割にのぼり、メンタル不調による休職・離職は年々増加しています。
社員のメンタル不調が深刻化すると、以下のようなリスクが発生します。
- 生産性の低下(集中力の欠如、判断ミスの増加)
- 休職・離職の増加(人材の流出、採用・育成コストの増大)
- 職場全体のモチベーション低下(組織の雰囲気が悪化)
こうした問題を未然に防ぐために、人事部門の役割がますます重要になっています。
人事は、単なる採用や評価だけでなく、社員が安心して働ける環境を整え、メンタル不調を予防することが求められています。 しかし、「具体的にどのような対策を講じればよいのか?」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、人事が主導して実施できる「メンタルヘルス対策」について、実践的なアプローチを交えて解説します。社員が健康に働ける職場環境を整え、企業全体の成長につなげるために、今日から実践できる対策を一緒に考えていきましょう!
メンタル不調の主な原因とは?
メンタル不調は、決して個人の問題ではなく、職場環境や業務内容が大きく影響します。特に、長時間労働・人間関係のストレス・仕事のプレッシャー・ライフイベントの4つが重なると、メンタル不調のリスクが高まります。
ここでは、企業が特に注意すべき4つの主な要因を詳しく解説します。
1. 過重労働・長時間労働
長時間労働は、社員の心身に深刻な影響を及ぼします。
厚生労働省の調査によると、
月45時間以上の残業が常態化すると、健康障害のリスクが大幅に上昇
することがわかっています。
長時間労働がもたらすリスク
- 睡眠不足による集中力の低下(判断ミス・事故リスクの増加)
- ワークライフバランスの崩壊(リフレッシュできず、ストレスが蓄積)
- 「休む=悪いこと」という文化の定着(休暇取得をためらい、不調が悪化)
企業が見落としがちなポイント
- 「隠れ残業」や「持ち帰り仕事」が発生していないか?
- 上司の長時間労働が、部下にも影響を与えていないか?
長時間労働が当たり前になっている職場では、メンタル不調の早期発見が遅れがちです。
そのため、労働時間の適正管理と、適切な業務分担が重要になります。
2. 人間関係のストレス
職場の人間関係は、社員のストレスの大きな要因です。リクルートの調査では、「職場の人間関係が原因で退職を考えたことがある」と答えた人は 約60% にのぼります。
人間関係のストレスを感じやすいケース
- 上司との関係が悪い(パワハラ・過度な指導・適切なフィードバックの欠如)
- 同僚とのトラブル(価値観の違い・コミュニケーション不足)
- ハラスメントの発生(セクハラ・モラハラ・カスハラなど)
企業が見落としがちなポイント
- リモートワークの増加で、雑談や相談の機会が減っていないか?
- 「ハラスメントに該当しない指導」が、部下にとって強いストレスになっていないか?
社内の人間関係が悪化すると、社員は「会社に居づらい」と感じ、メンタル不調が重症化しやすいです。
ハラスメント対策と、相談しやすい環境づくりが不可欠です。
3. 仕事のプレッシャー 〜「結果を出さなければ…」という焦りがストレスに〜
「成果主義」の職場では、プレッシャーによるメンタル不調が発生しやすい傾向にあります。特に、評価制度が不透明だったり、過度なノルマが課せられたりすると、社員の心理的負担が大きくなります。
過度なプレッシャーを感じる状況
- 厳しすぎるノルマや目標(達成できないと評価が下がる)
- 常に高いパフォーマンスを求められる(ミスが許されない雰囲気)
- 評価基準が不透明(努力が正しく評価されない不満)
企業が見落としがちなポイント
- 「成果主義」が行き過ぎて、過剰な競争を生んでいないか?
- 社員が「評価の基準が不公平」と感じていないか?
メンタル不調を防ぐためには、「適切な目標設定」と「プロセス評価」の導入が重要です。
4. ライフイベント
仕事以外のストレスも、メンタル不調を引き起こす大きな要因です。特に、家庭や健康、経済的な不安が重なると、仕事に影響が出やすくなります。
ライフイベントが原因でストレスを感じるケース
- 育児・介護の負担(仕事との両立が難しい)
- 健康問題(慢性的な病気・体調不良・睡眠不足)
- 経済的不安(収入減・住宅ローン・生活費の増加)
企業が見落としがちなポイント
- 社員のライフステージに合わせた働き方ができているか?
- 育児や介護と両立しやすい制度があっても、実際に活用できる雰囲気があるか?
ライフイベントに寄り添う企業の姿勢が、社員の安心感につながります。
フレックスタイム制度や、柔軟な働き方の導入が有効です。

メンタル不調を防ぐために、人事ができること
ここまで、職場におけるメンタル不調の主な原因を解説しました。
しかし、こうした問題は決して個人の努力だけで解決できるものではありません。
企業が主体となって「働きやすい環境」を整えることが不可欠です。
では、人事は具体的にどのような対策を講じるべきでしょうか?
以下の4つのポイントを軸に具体案を解説します。
(1) 職場環境の整備
適切な業務量の管理
過重労働を防ぐために、労働時間の可視化や業務負担の分散を進めることが重要です。以下のような対応が考えられます。
- 労働時間の可視(勤怠管理システムを活用し、長時間労働者を早期発見)
- 業務の属人化を防ぐ(仕事をチームで分担し、特定の社員に負荷が集中しないようにする)
- 定期的な業務負荷チェック(1on1やアンケートで実態を把握し、調整を行う)
ハラスメント防止のための仕組みづくり
職場の人間関係がメンタル不調の大きな原因となるため、ハラスメント防止研修を実施し、社員の意識を高めることでハラスメントが起きるのを未然に防ぎます。
- ハラスメント防止研修の実施(パワハラ・セクハラ・カスハラの基準を明確化)
- 相談窓口の整備(匿名で相談できる社内・外部窓口を設置)
- アンケートで職場環境を把握(社内の人間関係の課題を定期的にチェック
柔軟な働き方の推奨
社員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を導入することで、ストレスを軽減できます。
✅ リモートワーク・フレックスタイム制度の導入(社員の裁量を増やし、ストレスを緩和)
✅ 有給休暇の取得促進(休みやすい雰囲気をつくり、リフレッシュの機会を増やす)
✅ 産休・育休・介護休暇の取得を推奨(ライフイベントに対応できる職場づくり)
(2) メンタルヘルスの教育と啓発〜知識を身につけ、予防意識を高める
管理職向けのメンタルヘルス研修
上司が部下のメンタル不調に気づけるよう研修を実施します。
具体的には、
- 部下のメンタル不調のサインを察知するポイントを学ぶ
- 「声かけの仕方」や「相談しやすい雰囲気づくり」を習得
- メンタル不調の初期対応を理解し、社内外のサポートを活用できるようにする
社員向けストレスマネジメント研修
社員が自分のストレスに気づき、適切に対処できるようにするための研修です。
- ストレスの原因を理解し、自分に合った対処法を知る
- マインドフルネスやリラクゼーションの習慣化(リフレッシュの習慣を身につける)
- 仕事とプライベートのバランスを整える意識を高める
セルフケアの啓発
社員自身がメンタル不調を早期に察知し、適切な対策を取れるようにすることが重要です。
- メンタル不調の兆候をチェックできるリストを提供
- 日々の感情や体調を記録する習慣をつくる
- 必要な場合は早めに専門家に相談するよう促す
(3) 相談・支援体制の強化〜社員が気軽に相談できる仕組みをつくる
① 社内相談窓口の設置
メンタル不調を抱える社員が気軽に相談できる環境を整えることが重要です。
- 匿名で相談できるメンタルヘルス相談窓口の設置
- 社内ポータルでメンタルヘルス情報を共有
- 緊急時の対応マニュアルを作成し、適切なサポートを提供
② 産業医・カウンセラーとの連携強化
専門家の力を借りることで、より適切な支援が可能になります。
- 定期的なメンタルヘルス面談を実施(オンライン相談も可)
- 産業医のアドバイスを基に、職場環境の改善を進める
③ 外部の支援プログラムの活用
企業が独自に対応できない場合は、外部サービスを活用するのも有効です。
- 社員とその家族も利用できるカウンセリングサービスの導入
- 法律相談やキャリア相談など、メンタルヘルス以外の支援も提供
(4) 風通しの良い職場文化の醸成〜心理的安全性の高い職場づくり
① 1on1ミーティングの定期実施
上司と部下が定期的に対話することで、早期に悩みをキャッチできます。
- 仕事の進捗だけでなく、メンタル面の変化にも気を配る
- 雑談の時間を設け、心理的な距離を縮める
② 「相談しやすい職場」の文化づくり
メンタルヘルスについて話しやすい環境をつくることで、社員の心理的負担を軽減できます。
- 「メンタル不調は誰にでも起こりうるもの」と周知する
- 相談した社員が不利益を被らない仕組みを整える
人事が気をつけるべきポイント
ここまで、社員のメンタル不調を防ぐための具体策について解説しました。しかし、施策を実施する際に 人事が注意すべきポイント があります。これを見落とすと、せっかくの取り組みが十分な効果を発揮できない可能性があります。
1.メンタル不調を「個人の問題」とせず、組織全体で支える姿勢を保つ
メンタル不調を「その人の問題」としてしまうと、当事者は孤立し、必要な支援を受けられないまま症状が悪化してしまうことがあります。人事は、「メンタルヘルスは組織全体で取り組むべき課題である」という認識を持つことが重要です。
2.「メンタル不調が出てから対応」ではなく「予防」に重点を置く
メンタルヘルス対策は、「問題が発生した後の対応」よりも「未然に防ぐこと」が大切です。社員が不調を感じる前に、ストレスを軽減し、健康的に働ける環境を整えることを意識しましょう。
3.機密保持を徹底し、社員が安心して相談できる環境づくりを行う
メンタルヘルスに関する相談は非常にデリケートな問題であり、「相談したら不利になるのでは?」という不安を持つ社員も少なくありません。そのため、人事は機密保持を徹底し、安心して相談できる環境を整えることが必要です。

まとめ
社員のメンタル不調を防ぐためには、人事の積極的な関与が不可欠です。単に問題が発生した後に対応するのではなく、「職場環境の整備」「メンタルヘルス教育」「相談・支援体制の強化」という3つのポイントを軸に予防策を講じることが重要です。
しかし、「具体的にどこから手をつけるべきかわからない」「専門的な知識が不足している」と悩む人事担当者も多いのではないでしょうか?
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- 社員のメンタルヘルス相談・ストレスチェックの実施
- 職場環境改善のための具体的なアドバイス
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