この記事はこのようなお悩みをお持ちの方に向けて書いています。
・健康経営優良法人の認定取得を目指したい
・食生活改善施策をどのように進めるべきか悩んでいる
・限られたリソースでも実行できる実践例を探している
企業が社員の健康に積極的に投資し、組織全体の生産性向上を図る「健康経営」。
その推進指標となるのが、経済産業省が主導する健康経営優良法人認定制度です。
中でも重要な評価項目の一つが、具体的な健康保持・増進施策⑨「食生活の改善に向けた取り組み」です。
「社食がない」「予算が限られている」「小規模な組織で何ができるのか分からない」
——このような悩みを抱える中小企業にとって、食生活の改善は手が届かないテーマに思えるかもしれません。
しかし実は、小さな工夫や働きかけでも評価の対象となる施策は多数存在します。
この記事では、食生活改善の重要性や評価されるポイント、実際の企業事例を交えて、健康経営優良法人を目指す上でのヒントをご紹介します。
具体的な健康保持・増進施策⑨「食生活の改善に向けた取り組み」とは?
健康経営優良法人の認定を取得するためには、企業が社員の健康保持・増進のために具体的な取り組みを行っているかどうかが評価されます。
その評価項目の一つが、「食生活の改善に向けた取り組み」です。
この項目では、以下のような取り組みが評価の対象となります。
- 栄養や食生活に関する教育・情報提供の実施
- 社員食堂や自動販売機、売店における健康的なメニューや商品の導入
- 食事内容を改善するための啓発活動やイベントの実施
必ずしも社食がある必要はなく、社員の「気づき」や「選択」を後押しする取り組みでも評価されます。
なぜ「食生活」が健康経営において重要なのか

食生活は、すべての健康習慣の基本です。
偏った食事、不規則な食習慣、栄養不足などは、次のようなリスクを高めます。
- 生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)
- 慢性的な疲労感や集中力低下
- 精神的ストレスの増加
こうした状態はプレゼンティーズム(出勤していても生産性が低い状態)やアブセンティーズム(病気などによる欠勤)を引き起こし、企業の生産性や活力に大きな影響を与えます。
そのため、社員が日々の食生活を見直し、健康的な選択をしやすい環境を整えることは、健康経営の重要な柱の一つです。
認定を意識したポイントと評価される取り組み
健康経営優良法人の認定では、「実施した事実」だけでなく、効果や継続性、社員の参加率なども評価されます。
以下のポイントを押さえることで、より効果的な施策になります。
①情報提供・啓発
- 管理栄養士監修のコラム・レシピ配信
- 栄養バランスのとれた食事の摂り方を学ぶセミナーや動画配信
- ポスターや社内報で「健康的な食の選び方」を視覚的に啓発
②食環境の整備
- 社員食堂における「健康メニュー」や「カロリー・塩分表示」
- 自販機・売店での低糖質・減塩食品の導入と目印表示
- 軽食サービスを健康志向の商品に入れ替える
③継続的な取り組みと記録
- 実施内容や参加者数の記録・レポート作成
- 定期的な社員アンケートによるニーズ把握と改善
- 食事改善チャレンジなどの社内イベントで継続的な関与を促進
事例紹介:食生活改善に取り組む企業の実例
実際に食生活改善を通じて健康経営を推進している企業の事例を複数ご紹介します。
1.南双サービス株式会社
南双サービス株式会社ではべジファーストを知識として知ってもらうだけでなく、普段から習慣づけられるように会社での一部費用補助のもとで仕出し弁当に生野菜を付けて提供しています。ブライト500 の取得・県知事からの表彰により新聞取材を受けたことや日々の業務の中でも健康行動を積み重ねてきた事で、従業員の健康意識が高まっており、特に社内で取っている健康アンケートの回答として食生活に気を使う人は全従業員の7 割にも達しています。
2.株式会社美警
株式会社美警では定期健診の結果をもとに血圧や糖質などの異常値や各自の生活習慣として食事の時間・量、睡眠時間などを記載してもらい、各自が自身の食生活に気づきを持ってもらうきっかけを作っています。また、、野菜たっぷりイベントを開催し、野菜摂取の重要性について啓蒙しています。
3.LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社は「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に選定され、働く人が心身ともに最高のコンディションで仕事に向き合える企業を目指しています。
ヤフーの調査では、昼食に脂質を摂りすぎる傾向にあり、揚げ物が魚の3倍ほど食べられていました。このため2019年には、社員食堂では揚げ物の一部を100円値上げする「揚げ物税」を導入し、魚料理を150円値下げする「お魚還元」を実施しています。
また、食器裏にチップを埋め込んでいるため、社員が摂取した栄養情報をシステムで管理できます。
4.東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動火災保険株式会社では、2019年から本社食堂では低カロリーで塩分が少なく、野菜がたっぷりのヘルシーランチを提供しています。グループ会社では、17品目の食材を利用したスマートミール弁当を提供し、社員の健康を支えています。
また、1990年代から10〜11月を健康増進月間として以下3つに取り組んできました。
- 毎日朝食コース
- 食事バランス意識コース
- 休肝(減酒)コース
上記の他に、組織全体でも健康増進の取り組みを行い、社員一人一人の健康に対する意識を高めています。

まとめ
「食」は毎日の習慣であり、最も身近な健康施策です。
健康経営優良法人の認定項目⑨「食生活の改善に向けた取り組み」は、社員の健康意識を高め、生活習慣病予防や生産性向上に直結します。
事例に見るように、食堂の有無や企業規模に関係なく、創意工夫で実践できる施策が多く存在しています。
まずは「できること」からはじめて、社員の健康づくりと企業価値の向上を同時に実現していきましょう。
健康経営の実現をサポートするパートナーをお探しの方へ
社員の健康を支える取り組みは、継続的かつ専門的な視点が求められます。
「自社に合った施策をどう設計すればいいのか分からない」「産業医や専門家との連携がうまく進まない」といったお悩みをお持ちの法人様も少なくありません。
そんな時はぜひ産業医紹介サービスの「ライフインベスターズ」にご相談ください。
- 健康経営に精通した産業医や保健師によるサポート体制
- 法人規模を問わない幅広い導入実績
- 食生活改善・メンタルケア・ストレスチェックなど、多角的な健康施策を提案可能
さらに、健康経営優良法人の取得を目指す企業向けに、コンサルティング支援や健康データの管理、受診勧奨までをワンクリックで完結できる健康管理システムの提供も行っており、効率的かつ継続的な取り組みをサポートします。
法人様ごとの課題やニーズに合わせて、無理のない形で健康経営を実践するためのパートナーとしてご活用いただけます。
まずは無料相談・資料請求からお気軽にどうぞ!
健康経営への一歩を、信頼できるパートナーとともに踏み出してみませんか?
【参考文献】

