この記事はこのような方に向けて書いています。
・上手い安全衛生標語が思い浮かばず困っている方
・効果的な安全衛生標語が分からない方
安全衛生標語とは労働衛生に対する意識を高めるために設定されるキャッチコピーのようなもので、毎年新しく設定し直すのが通例ですが、そんな良さげなキャッチコピーなんてポンポン思いつくわけないだろう!と頭を抱えている担当者の方は実は結構いらっしゃるのではないでしょうか。この記事では衛生標語を作る際のヒントをまとめています。衛生標語の作成に行き詰った方はぜひ参考にしてみてください。
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「衛生標語とともに産業医で最適な健康サポートを」
衛生標語を作っても職場環境が変化しないとせっかくの衛生標語が無駄になってしまうことも多いと思います。
それを避けるためにも製造業に強い産業医と協力することが必要なはずです。
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安全衛生標語とは
まずは安全衛生標語について確認しておきましょう。
安全衛生標語とは働く人の安全と健康の確保をめざし、労働災害のない安全で快適な職場づくりを呼びかけるためのキャッチフレーズです。中央労働災害防止協会(中災防)では、毎年安全衛生標語を公募しているほか、全国労働衛生週間の一環として各企業が自社の安全衛生標語を決めています。中央労働災害防止協会が公開している安全衛生標語の趣旨は「労働災害のない安全で快適な職場を築くために、働く人一人ひとりのかけがえのない命と健康の確保を最優先にする職場風土づくりをアピールするもの。(年間標語)」「何かと慌ただしい年末年始を無災害で過ごし、働く人すべてが新年の幕開けを明るく笑顔で迎えられるよう、労働災害防止の重要性について訴えるもの。(年末年始無災害運動標語)」といった内容で、安全衛生標語の目的は見る人にアピールすることであることが分かります。
*全国労働衛生週間とは
全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的に、昭和25年に開始された取り組みです。毎年9月1日から30日までを準備期間、10月1日から7日までを本週間として、この間、各職場で職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催などのさまざまな取り組みを行います。
衛生標語を作る際のヒント
衛生標語を作る際のポイントはこちらの記事でまとめているのでそちらも参考にしてみてください。
今回は衛生標語を作る際に抑えるべきポイントではなく、具体例を分析してヒントを得てみようと思います。
以下の表は過去20年分の中央労働災害防止協会が公募から決定した安全衛生標語です。
では1年ずつ見てみましょう。
令和6年 「小さなヒヤリも 大事な気づき 声に出して災害ゼロ」
字余り字足らずを無視するとだいたい4・3・4・3・4・3・4・3のリズムになっています。また、「小さな」と「大事な」で対比構造を形成しています。キャッチフレーズは詩を書く時と同じ心構えで書くと上手くいくかもしれません。
キーワード:ヒヤリ、災害ゼロ
令和5年 「危ないよ 声を掛け合い 安全確認 つなぐ言葉で つながる明日」
5・7・5・7・7の短歌の形式でとても耳馴染みが良い仕上がりとなっています。また、下の句では語頭が「つな」で掛かっています。
キーワード:危ない、安全確認
令和4年 「全員で 目をかけ 声かけ 意識して 目指そう安全・健康職場」
5・7・5・7・7の短歌のリズムです。上の句は全て母音がeで終わって韻を踏んでいます。また、「かけ」が掛かっています。
キーワード:安全・健康職場
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重労働や深夜作業に関連する健康リスクや有機溶剤や騒音職場に対応できる産業医で、より良い職場に変化を。
実際、有害業務対応できる産業医がいないと相談を受けることも多いです...
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令和3年 「健康と安全作業を積み重ね 築くゼロ災 みんなの誇り」
5・7・5・7・7の短歌のリズムです。やはり短歌の形式に収めるのが1番安牌と言えるかもしれません。
キーワード:健康、安全作業、ゼロ災
令和2年 「健康安全 意識を高め 目指せゼロ災金メダル」
東京オリンピックの年なので時事的なトピックを取り入れて「金メダル」という言葉が採用されています。7・7・7・5と周期性はありませんが口に出してみるとリズム感は良いです。
基本は短歌の形式で作るとして、多少ずれても口に出してリズム感が良ければ採用、という手順が分かりやすいでしょう。
キーワード:健康安全、ゼロ災
平成31年 「健康・安全 スクラム組めば みんなで実現 ゼロ災職場」
7・7・7・7の形になっています。また、「あんぜん」「じつげん」「組めば」「しょくば」で交互に韻を踏んでいます。
キーワード:健康、安全、スクラム、ゼロ災
平成30年 「健康な心と体で安全作業 目指すは笑顔の無災害」
個人的な感覚にはなりますが「目指すは」は必要最低限以外は省略した形になるので字数に限りがあるキャッチフレーズでは使いがちな表現です。
キーワード:健康、安産作業、無災害
平成29年 「快適な職場に響く合言葉 「健康・安全・ゼロ災害」」
キャッチフレーズにキャッチフレーズ(合言葉)が入っています。合言葉をより印象付ける作りとなっています。
キーワード:健康、安全、ゼロ災害
平成28年 「健康と安全チェックが 作業の基本 しっかり守って ゼロ災職場」
若干字余りですがほぼ短歌です。何をするとどうなるのかが明確に示されています。
キーワード:健康、安全チェック、ゼロ災、作業
平成27年 「守ります!健康管理と安全確認 笑顔ひろがるゼロ災職場」
だいたい短歌です。びっくりマークと丁寧語を取り入れることでより印象付けることができます。キーワード:健康管理、安全確認、ゼロ災
平成26年 「安全意識は命綱 しっかり締めて 目指そうゼロ災」
安全意識と命綱という一見するとイコールでは結びつかない単語を結びつけることで印象的な仕上がりになっています。
キーワード:安全意識、ゼロ災
平成25年 「安全が 最優先の我が職場 仲間を守る 家族を守る」
短歌の構造です。「最」優先という最上級形を使うことで1番に守るべきものが何かを分かりやすく示しています。
キーワード:安全、職場
平成24年 「一人ひとりの心掛け つながれ 広がれ 安全・健康・快適職場!」
心掛け、つながれ、広がれで韻を踏んでいます。また、「がれ」が二重になっていることでよりリズム感が良くなっています。
キーワード:安全、健康
平成23年 「「安全専一」から100年 未来へつなごう安全の心」
過去と未来の対比構造になっています。また、100年という数字はとても長い時間なので自分も守っていこうという意識につながるでしょう。
キーワード:安全専一
平成22年 「身につけよう 基本作業とプロ意識 みんなで築く安全職場」
短歌の形式です。
キーワード:基本作業、安全職場
平成21年 「見過ごしません小さなリスク ゼロ災職場の合言葉」
この年も合言葉をキャッチフレーズの中に入れています。「見過ごさない」をあえて丁寧語にすることで強い呼びかけとなっています。
キーワード:リスク、ゼロ災
平成20年 「リスクの発見 すばやい対処 みんなで築こう無災害」
4・3・4・3・4・4・5で一見規則性はありませんが口に出してみるとバランスが良い構成となっています。「みんなで築く」も使われがちなフレーズです。
キーワード:リスク、対処、無災害
平成19年 「ベテランが 次代にたくす宝物 技と誇りと安全第一」
短歌の形式です。「〇〇と〇〇と〇〇」というフレーズは意外と収まりが良いです。
例:愛しさと切なさと心強さ
キーワード:安全第一
平成18年 「一歩先読む 確かな点検 めざすゴールは 無災害」
7・7・7・5の形式です。
キーワード:点検、無災害
平成17年 「小さな危険 あなたが発見 みんなで改善」
全ての語尾がenでまとめられて非常にリズム感がよくなっています。また、全てのフレーズが4文字+二字熟語のセットとなっており、秀逸です。
キーワード:危険
以上、20年分の安全衛生標語を確認しましたが、やはり安全、健康、職場、ゼロ災(無災害)という単語が多く見られます。とりあえずこれらの単語を入れておけばそれらしくなります。これに加え、ヒヤリハットやリスクなどカタカナの単語を入れると目で見た時のバランスは良くなります。
まとめ
過去20年分の安全衛生標語から衛生標語作成の際のヒントになりそうなものを探してみましたが、役に立ちそうなものはありましたか?キャッチフレーズは伝えたいことを簡潔に分かりやすく示すために有効なものですので、ぜひ健康経営に役立てましょう。健康経営には労働衛生に詳しい専門家である産業医からの助言も役に立ちます。産業医をお探しの方はぜひライフインベスターズにお問い合わせください。無料オンライン相談も受け付けております。
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大手法人様はもちろん、これから衛生委員会を立ち上げるスタートアップ・ベンチャー企業様への対応経験も豊富にございます。特にメンタル対応についてお困りの法人様から専門性の高さで高くご評価いただいておりますので、産業医の交代を含め、何かお困りやご不満がございましたら、無料のオンライン相談も受けつけておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。